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Industry:
自動車
    Location:
    テネシー州、ラ・バーグ
      Customer Objectives:
      • エンジンブロック内のクリップの配置を検査して確認する
      • 画像形成を複雑にする油、水、塗料、反射面などの問題を考慮する
      Key Results:
      • 外観の欠陥と機能的な欠陥を区別して廃棄率を削減
      • マシンビジョンを使用した検査の自動化により、スループットの向上とコストの削減を実現
      Cognex Solution:

      自動車産業とライフサイエンス産業は、厳格な規制基準を守ることや、外科手術レベルの精度を維持すること、厳しい生産ノルマを達成することが求められる難しい産業です。だからこそ各メーカーは、テネシー州ナッシュビルに本社を置くオートメーションインテグレータのAutomation NTHを頼りにしています。

      顧客基盤がさまざまな業界や技術レベルにわたるAutomation NTHは、多様な課題に対応する必要があります。繊細な部品を傷つけずに医療機器の組立工程を自動化しようとする顧客もいれば、自動車組立の際にさまざまな部品の配置を検査しようとする顧客もいるでしょう。どのようなアプリケーションであれ、マシンビジョンは多くの場合に必要となります。

      「簡単な仕事にはありつけません」。Automation NTHのPCプログラミンググループマネージャ、キース・ジョンソン氏は言います。「自動化を次のレベルに引き上げたいと本当に思っているのはお客様です」。次のレベルとは、スループットを向上させる革新的な方法を見つけることや、より高いレベルで欠陥を検出すること、許容できる異常と重大な欠陥を分けることなどです。これは、顧客やそのニーズによって異なります。

      これこそコグネックスが得意とする分野です。困難な自動化アプリケーションを解決するために、両社は長年にわたって提携してきました。

      最近のライフサイエンス分野のプロジェクトで、グルコース監視装置を製造しているAutomation NTHの顧客が、アセンブリに細いセンサワイヤを自動的に挿入する手段を必要としていました。しかし、このワイヤは、デバイスの機能に欠かせない繊細な材料でコーティングされています。

      この課題を解決するため、Automation NTHは、振動でセンサワイヤを一括分離するワイヤーロードセルを開発しました。この技術では、まず単一のワイヤが分離されます。その時点でコグネックスのIn-Sightビジョンシステムが、ワイヤをピックアップしてアセンブリに装填するようにロボットアームを誘導します。これらの動作はすべて、センサ材料を損傷させないように行われます。

      Automation NTHは、ルールベースのビジョンとカスタムプログラムの作成に精通した企業ですが、ディープラーニング技術への投資を増やしています。

      ディープラーニングは、非構造化データを取り込み、そのデータに基づいて出力の精度を高めるように自己学習する人工知能のサブセットです。コグネックスは、この技術を応用してVisionPro Deep Learningソフトウェアを開発しました。このソフトウェアにより、ジョンソンなどのエンジニアは、何百、何千もの画像に基づいて、変化に富む微細な欠陥を検出するモデルを構築することができます。ビジョンシステムで画像を取得してVisionPro Deep Learningで分析すると、許容できる欠陥と許容できない欠陥の外観が似ていても、欠陥を自動的に検出できるので、スループットの向上、スクラップ率の低減、コストの削減が可能になります。  

      約10年にわたるコグネックスとのパートナーシップにより、Automation NTHはこのツールやその他のツールを使用して、さまざまな産業の複雑な検査を解決しています。 

      VisionProとAIは、これまで自動化で解決できなかった課題に対応できるようになりました。

      ―キース・ジョンソン氏、PCプログラミンググループマネージャ
      Automation NTH

      ディープラーニングの実用化

      ジョンソン氏は、マサチューセッツ州ネイティックにあるコグネックス本社でVisionPro Deep Learningのトレーニングを受け、バーチャルセッションに参加した後、AIベースのビジョンシステムのトレーニング方法とテスト方法を学びました。ジョンソン氏にとって、コグネックスのチームから直接サポートを受けることができ、「電話一本で連絡が取れる」ことは、大きなメリットでした。

      VisionPro Deep Learningは、ジョンソン氏と彼のチームにとって、さまざまなアプリケーションの問題解決に欠かせないものとなりました。例えば、ジョンソン氏によると、あるプロジェクトで顧客が電気自動車(EV)エンジンのロッカーアームのクリップ位置を検査することを要望しました。クリップの取り付けは手作業であり、油、水、塗料、反射面などの複雑な要素が検査作業の妨げになっていました。クリップ位置には多くのバリエーションがあるため、エラーが高い確率で発生しました。サプライヤや部品形状の更新といった変化があると、エラーや欠陥と間違われる可能性があるため、このソリューションは将来性を考えて設計する必要がありました。

      VisionPro Deep Learningソフトウェアを搭載したコグネックスのIn-Sight D900を使用することで、ジョンソン氏とそのチームは、画像形成を複雑にする油や塗料のような不確定要素にかかわらず、クリップ位置を確認することができました。

      「チームはあらゆる種類のソリューションを試しました」とジョンソン氏は言います。「しかし、VisionPro Deep Learningでは、問題となるのはトレーニングだけでした。新しい一連のトレーニング画像を取得すれば済むのです」

      もう一つ例を挙げましょう。Automation NTHは、消費者製品の顧客用のベルトコンベア上で部品を区別するために、仕分けマシンにVisionPro Deep Learningを使用しました。汚れや垢があると干渉の原因になりますし、照明を新しくすることはAutomation NTHの顧客にとって大きな出費となりました。

      Automation NTHは、新しい照明を設計して実装する代わりに、VisionPro Deep Learningをソリューションに統合しました。その結果、部品識別の精度は98.46%となり、メーカーの合格基準をはるかに上回りました。

      顧客を念頭に置いたソリューションの設計

      Automation NTHは、利用しやすく、適応性の高いソリューションを開発しています。顧客はシステムの保守や変更を自分自身で行い、サプライヤや部品のバリエーションの更新といった変更に対処できなければなりません。

      「お客様にはそれを引き受けていただく必要があります」とジョンソン氏は語ります。各統合プロジェクトには、エンジニアが顧客にソリューションのトレーニングを行うサポート期間があります。これにより顧客は、何に注意を払うべきかや、どうすればラインを稼働し続けることができるかを理解します。例えば、メトリックスが特定の許容率(95%など)を下回った場合は、その背後に理由があるのが普通だとジョンソン氏は言います。

      教育とトレーニングは既に、Automation NTHの文化の重要な要素となっています。インターンや実習生は全員、NTHユニバーシティという研修プログラムを受講します。このプログラムは、受講生の学習を加速させ、新人エンジニアがよく経験する一般的な手法「浸透学習」を超える成果が得られます。NTHユニバーシティには、制御設計入門コースからVisionPro Deep Learningを使った高度なプログラミングコースまで、詳細なカリキュラムが用意されています。Automation NTHは、In-Sightシリーズのマシンビジョンシステムのプログラミングに非常に熟達したので、ジョブ間の一貫性を保つために社内プログラミング標準を作成しました。

      コグネックスの学習や教育に関する門戸は常に開かれています。

      さまざまな意見交換をしたり、専門知識を尋ねることができたりと、コグネックスとAutomation NTHの関係は、従来のクライアントとベンダーの関係を超えているとAutomation NTHの副社長であるジェフ・バック氏は語ります。両社は真のパートナーシップを築き、協力しながら仕事に最適なツールを探しています。

      「より良いソリューションを常に提供しようとするコグネックスの姿勢には非常に感銘を受けています」とバック氏は言います。「コグネックスは現状に満足せず、絶えず技術を前進させています」

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